生, 性, ナンパ

生, 性, ナンパ
高野ひと深さん作のジーンブライドを読んで、久々にフィクションながら我が同性の者がすまない....と気まずくなる体験をした
悲しいことにそんなに久々でもないかもだが...
ボーヴォワール, タランティーノでも書いたんだけど、100分de名著で上野節が炸裂していて面白い
老後の性がタブー視される背景として、生殖を第一に置く価値観が膾炙していることにあるという指摘
国民国家の発展を考えた時に、産めよ殖やせよ、という価値観がマッチしているので、セクハラをはじめとするいろいろなミクロな衝突に関しては適当に受け流してきた、というのが近現代の様相と言えるかもしれない
直近でも立憲民主党にロリコンジジイ議員がいたりしたが、生殖が最も大事な目的だという大義名分があれば野郎からしてみれば数撃って当たれ戦略がそこそこ合理的な選択になってしまう気がする
だからナンパは絶えないのだろうし、セクハラも絶えないのだろう
我が人生において、性的に不快だなあと感じたことは数えるくらいしかないのだが、結局これは特権を持って降臨しただけで運ゲーに勝っただけなのよのう...
生を最上のものとする考え方はアポロン的な美意識に通じる感じがする
ある瞬間にはよいものに見えるが、ある瞬間にはとても残酷に見えることがあって不思議
どういう仕組みを社会に実装したら、こうした価値観と共存しつつ、悲しい衝突を避けることができるんだろうか