スパイダーマン: アクロス・ザ・ユニバース 感想 (ネタバレあり)

終盤、マイルスピンチ!悪マイルスも登場…!ってなって「あれ?もしかして今から三幕めですか?まあ尺2時間半もあるもんなあ」などと呑気におかわり期待してたらグウェンが締めに入りはじめたので「えぇ!?!?まさか!?!?つづくの!?!?嬉しいけど!!!!待てへんよそんなに!!!」と「マジで前情報ゼロでここまでこれた幸せよ…」という感情が織り混ざった「マジか…」の声を漏らしてしまった
冒頭から振り返っていくと、SONYコロンビアのロゴの前に「KOCH!」ってスパイダーバースシグネチャー吹き出し演出きて「はじまったなあ!!!」と
なんかわからんけど、上映前に謎に咳払いしてる人とか咳する人いるよな…
なんか一瞬の演出だけど、既に粋っていうか、この一瞬でフィクションが現実に滲み出してくる感じがして、これだからフィクションはやめらんねーよと
相変わらずコミックコードコスりもあって、さすがに2回目にもなるとくどいわ!!とおもいつつ、ウケてしまう
グウェンの回想として前作のあらすじがざっくりと語られ(これだけみてもなんのこっちゃだろうけど)、羊皮紙バースヴァルチャーが襲撃してくる
MoMエブエブでもおもったけど、どういう理屈でそういう世界が成り立ってんねんとはおもう
それを言ってしまえばなんでクモに噛まれたら超人的な能力を発揮できるようになんねんて話になっちゃうけど
ついにトーチャンに正体を明かすハメになってしまい、しかも拒絶されてしまうというなかなかしんどい展開
逃げるようにスパイダーウーマンミゲルに誘われて未来の世界線へ
ロキにおける TVA ではタイムラインが世界線という扱いだったので、ポータル移動が時間を行き来できることは理解できるんだけど、MoMのアメリカ・チャベスやミゲルのポータル移動はどうやら平行世界の時間は遡れないらしく、きっちりと経過した時間の先に飛び出せるわけだけど、世界の理屈が違うんだったら時間の流れも一定ではないのでは?とツッコミたくなる気持ちになる
1年ちょいって言ってたよな...?老パーカーに子ができてるけど、その期間で仕込めるのか....?などと
マイルスの世界では前作から1年が経過しているらしく、相変わらずブルックリンフレンドリーネイバーフッドとしてやっているようだが、スポットという空間を行き来できるらしいヴィラン(とはいえキッカケをつくっただけで本作ではメインヴィランかというと、そうでもなさそう)と出会ったり、進路のことや、覆面活動のしわ寄せがきていて、家族関係が怪しそうだったりしているところに、スパイダーソサエティのエージェントとして送り込まれてきたグウェンが遊びに来る
これは後からのツッコミだけど、よりにもよってグウェンを送り込まなくても、スパイダーソサエティ割とみんなヒマそうじゃね?とおもわんでもない
もしかしたらマイルス会いたさに工面したのかもしれないが
どうやらスポットがえらいことになってるらしい&グウェンもピンチっぽいということでポータルに飛び込むマイルス
スパイダーマンほんまそういうとこよねえ…
しれっとヴェノムの世界にお邪魔したり、レゴの世界にお邪魔したりとやりたい放題で笑った
後半でもスパイダーマンの運命について語られるパートでトビーアンドリューの素材が使われてて、ソニーの使えるモンはゼンブ使う!というパッションを感じた
さすがに現行スパイダーマンのトムホディズニーNGだったのかなあ
実写のプラウラーが登場したりと実写クロスオーバーの試運転のようにみえたけど、続編で展開あったりするのかなあ?
ヒンディ系が実権を握っているらしい?世界線でスパイダーマンの掟をしれっと破ってしまうマイルス
一時的にヒンディなスパイダーマンとパンクロッカーなスパイダーマンと組むが、前作ほどソリッドな感じはない
スポットのせいにしか見えないけど、マイルスが掟を破ったせいでヒンディ世界が危機に陥ってしまったらしい
メタ的にスパイダーマンの描いてきたテーマってノーウェイで打ち破るまで(と見せかけて実はノーウェイでトムホは真にスパイダーマンになったのだ…的なオタクトークをこの前して楽しかった)ミゲルのいうようなある種の運命的な自己犠牲論なわけだけど、作中で自己言及的に語られるとそうかな?って気持ちにならなくもない
老ピーターが指摘するように、人生いいこともあれば悪いこともあるよねって話で、もし仮に平行世界があったとして、そこに平行オレがいたとして(まずそもそも最近のマルチバース作品はここがしっくりきてなくて、世界がゴッソリ違ったらオレに相当する生命体もいないだろう、とおもう)人生であったいくつかのイヤなことがあったりなかったりしたら今の人格は形成されていなかったのだろうか?
満を持して未来世界のスパイダーソサエティへ!ここはネタの宝庫なんだろうけど、展開についていくのがやっとで情報量多すぎ!!ってなった
そもそも吹き出しツッコミも字幕が諦めるレベルで盛り込まれてて、それをリーディングするだけでもなかなか認知リソースを食う
ここでは実はマイルスが平行世界のクモに噛まれていたことが判明する
クモに刻印された42ってロットナンバーだとおもってたけどまさかの世界番号だったという…
てめえが噛まれちゃったせいでてめえの世界のピーターは死んじゃったし、スパイダーマンのいない世界が出現しちまったんだが!と
いやでもマイルス君自ら噛まれにいったわけじゃないんすけど…っていう
でもなんか、ここまで直接的なことはないまでも、オレが今のうのうと生きていられるのは誰かを足蹴にしてきたからなんじゃないか、みたいな強迫観念じみた負い目みたいなのはあるよなあと
マイルスにしても、冒頭の進路相談の時に「移民として苦労してきたんです」と物語をでっちあげろと唆されるが「いや別にトーチャン警察官(しかももうすぐ署長)だし別にそういう苦労はなかったんですが...」という
クモをマルチバース密輸した奴のせいじゃね!?
スパイダーバトルを繰り広げた結果(ゾロゾロいるスパイダーマンたち、こんなひよっこ一人捕まえられねえで手前らの世界のスパイダーマンが務まるんかいな)、信じていたグウェンと老ピーターに半ば裏切られるような形になり、気まずい感じに
自分の世界に放り出されてしまったグウェンは、父と話してやや吹っ切れた感
パンクのスパイディがなんと海賊版のポータル時計を託してくれていて、マイルス救出のためにチームアップする流れはアガる....!!
さすがアナキストである
どうにかこうにか元の世界に戻ってきたかとおもったら、カーチャンはスパイダーマンを知らなくて、叔父さんも生きていて……
なんとクモがパクられた世界=スパイダーマンが不在の世界に飛ばされてしまったのだ…!
前述の通り、こっから三幕目がはじまるのかとおもった
まさかの続き物だったので、些か拍子抜けしてしまった感は否めないが、このシリーズがまだまだ続くのは素直に嬉しいし、こんだけお膳立てしてくれたわけなので、次は頼みますよ…!!と
マイルスとグウェンの関係をどう落とすのか気になる
どの世界のグウェンもスパイダーマンを好きになるの、と語るグウェンはエブエブと重なるものがあった
パンフはお値段するけど、内容がめちゃ充実してて、アニメ版のヴェノムやりたい話とか、マイルスのテーマをつくるためにオーケストラ曲を LP にプレスしてスクラッチ素材に使ったりしていたらしい、すごい
エイミー・パスカルのインタビューがすごい淡々としてて、なんかなーという
前作スパイダーバースにはいたく感動して、ディズニーではできない表現が我々ソニーならできるんや....!!というパッションがあるなら、いろいろ赦そう...という気持ちでいた(スパイダーマンというボロ儲けIPを何が何でも手放したくな〜い!というビジネス上の都合で〜ということなのであればさっさと手放してほしい)
ノーウェイにしても、まあこれまでソニーさんが積み上げてきてくれたから今のアメコミ映画シーンがあるのかもな....とホロリときたのもあり、いろいろ複雑な心境