DUNE PART2 感想 (ネタバレあり)

DUNE PART2 感想 (ネタバレあり)
シャラメゼンデイヤで尺がもつでおなじみ(?)のこのシリーズ
公開からやや空いてしまったが、なんとか池袋の壁に間に合った
アマプラに前作があったので軽く予習したけど、雑な当時の記憶として「シャラメとゼンデイヤが出会う!つづく」とおもってたのがだいたい合ってた
前作終盤で部族の成人通過儀礼みたいなのをクリアして、だんだん部族に受け入れられていって、砂漠の民としてサバイバル術を学んでいくってのが冒頭
最近ゴールデンカムイ読んでるので、アイヌの様式を学ぶ杉元を連想した
ほいで、最後の儀礼としてサンドワームに乗れ!ってのを経てフレメン界のモーフィアスがいよいよコイツが救世主なんじゃないかと崇拝しはじめて、はじめのうちはポールもいやいや…という反応だったのが、母の手回しもあってかだんだん乗り気になってきて、よろしくない未来予知を見たりしても結局のっかってしまう
命の水?というサンドワームの幼体から抽出する汁を飲むことで先祖とコネクションを得て、いろいろ知識を授かる……ってのはブラックパンサーを連想する
進撃の巨人でもそういう継承要素あったよなあ
結果、なんと自分はアトレイデス家のみならず母方がハルコンネンであることが判明する
うん………なんかその要素いる??
仮死状態のポールを預言通り砂漠の春の涙で復活させる様はまさに宗教的
徐々に熱狂が拡がっていく様に警戒感を示すチャニは「お前も預言の一部ぞ」と母に怒鳴られて従ってしまったことで決定的になった感じがした
そして覚醒したポールはまさに "覚醒" していて一気にフレメンの民を掌握していく
ハルコンネンの襲撃もあり、原理主義者が多いという南部入りを果たしたポールは原理主義者たちも味方につけ、一気に実際に手を下したハルコンネン、そして皇帝に対して戦いを挑むのが終盤
前作でも謎に白兵戦があったけど、重力まで自在に操作できる科学力を有していながら、技術差もあるであろうゲリラ軍団になんで白兵戦を挑むのか全く謎
まあヴィルヌーヴは戦争パートにそこまで興味ないのかもしれない
ポールの作戦もよくわからんかったしな……
せっかく予知能力あるんだから「ここの防備が手薄だから」とか「この時間で守衛が交代するタイミングだから」とか、なんでもいいからもう少し勝つロジックがほしい
いくら歴戦のゲリラを味方につけたとはいえ、相手は常備軍なんだろうし、正面切って白兵戦で勝つってのはなんか都合良すぎません……?
アッサリ陥落した皇帝の船に堂々乗り込んでいって手早く近衛兵たちを粉砕する
いや皇帝軍弱すぎやろ…………
まあその、CK3 なんかで神聖ローマ帝国皇帝を戴冠しても軍事に関して実際のところは諸大名に頼っている状態になって、家来の筆頭が挙兵したりして一気に追い込まれるみたいなことはあるのでわからいでもないが……
「さあ!決闘で帝位を簒奪する!」って展開になり、ハルコンネンのサイコ野郎と一戦交えて辛くも勝利するのだが(ここの勝ち方もイマイチ納得感がない)、ここで「お前の娘を娶ってやろう!代わりに命は助けたる」などとぬかすからチャニはもう激おこである
まあその、こちとら雑草で育ったのでついぞこういう政略結婚をしなくちゃなんねえんだ!!みたいな気持ちに憑依できない……
オレはチャニ派だね(謎の宣言)
というか冒頭からナレーションをやってたのがこの皇帝の娘…??
ガーニィが「大変です!大名連中はこの継承に反対のようです!」(そらそうだろ)っていうのに「よろしい、ならば戦争だ!」と非常に血気盛んな新皇帝……大丈夫か………
ポールの妹も登場が目配せされているし、なんだろうこのギャルゲ感……
てっきり前後編だとおもってたので一段落つくのかとおもったら続きそうな気配
なんかこう、ポールの物語とすればウジウジしてた貧乏貴族のボンボンがオリエンタルエキゾチック〜〜なトライバルとの交流を経て、一皮向けて "大人" になっていく成長譚として面白いのかもしれないが、チャニが警鐘を鳴らしているようにいわゆる封建的な仕組みを温存したまま権力を掌握するのは結局やってる(これからやる)ことはハルコンネンと変わらないということになってしまう
個人的な「こうだったらオモロかった」は封建的ではないコミュニティの形を知って、それを争いの絶えない惑星アラキスの平和的な統治のために社会実装してみせる....的な展開である
まあ、原作からして時代感ありまくりなのでヴィルヌーヴが昇華してくれるかぐらいの話なんだろうが、やはり1,2とみても正直あんまり印象に残らない映画だなあ...という感じは拭えない
ただ、ヴィルヌーヴがさすがだなあとおもうのは要所要所で英語は喋られているものの、フレメンの人々、ハルコンネンの人々が何語か分からないけど英語ではない言葉で話してるのが良かった
他意はないけどリドリー・スコットなら全編英語で通してただろとおもっちゃう
...とおもったら、ちょいと調べると原作者のハーバートもポールの受け止められ方が不本意だったのか、続編ではポールの没落が描かれているらしい??
やっぱり大河モノは栄枯盛衰あって面白いというか、鎌倉殿の13人でもまず頼朝の勃興と、坂東武者でしかなかった北条に幕府を乗っ取られていく様、そして最後には義時の死まであるから面白いわけだし、やや時代的に重なる平家物語でも壇ノ浦まであるからこそ面白いのだとおもうのだな
予告は
(まだやってんの...)
(まだやってんの....)
え!? TVA!? そういうアクロバティックな合流!?ディズニーに合流してもライアン・レイノルズは第四の壁を超えてくれるらしい
これってつまりマックスは出てこないんだよね...?イモータンとは別にクリヘムの誰かが出てくるのか...??
あの前日譚漫画の誰かかな...?
ジョージ・ミラーの新作ってだけで否応なく盛り上がってしまうが、Fury Road 好きすぎてこの高いハードルが邪魔にならないか不安でもある...
アニャ・テイラー=ジョイフュリオサはそんな心配してなかったけど、いざビジュ見てみるとこれはかなり当たり役なのでは...?ここは期待
てなラインナップで割と楽しみになってきた
最近映画熱が冷めてたので...
パンフ読んでたらハンス・ジマーが前作の公開がもうはじまってるのに曲を送りつけてきて「次作のインスピレーションに使って!」って言ってくるの好々爺すぎてイイ・・・となった