鸚鵡楼の惨劇 ( Audible 版) 感想 (ネタバレあり)
オーラスで最初の章の「ミズキ」と「こうちゃん」の正体が明かされるのだが「え....?? えぇ??」だった
完全に「こうちゃん」が「コウイチ」だとミスリードされてしまっていたが、こうちゃんは洋食屋の息子から検事になっていたコウサカだったのだな....
そして割と狂言回し的なポジションだったチズコがミズキだったとは.....
つまりコウイチは別に芸者に性の目覚めさせられたとかそういうんじゃなかったんだな....
完全にそういえばだけど、「こうちゃん」はクマノ神社の犬を別に虐待していたわけじゃなかったあたりがヒントだったか
「コウイチ」は本当か嘘か知らないが、犬神の話をする時に犬を虐待していたエピソードを披露していたが、最初の
鸚鵡楼の事件では殺された男が犬を殺して持ってきたことがトリガーとなってアサシン・ミズキにぶっ殺されたわけだが(ところで小学生が本気になったらアイスピックで殺されるもんかな?寝首をかかれたらそりゃお陀仏だろうけど、意識がある状態で向かってきても制せそうな気もしなくもないが)ポップコーンを餌として食えるように置いてたもんなあ
オオクラが2010年代になってマサキ(サオリの息子のシュン)の自殺を機に真相を究明するわけだが、20年も前の事件をそんな克明に推論できるもんなんだろうか?
確かに実際にはコウサカが手を回してチズコ(ミズキ)の不利にならないようにコウイチに全てをおっかぶせていたわけなので、状況証拠と関係者の証言を合わせたら判じることなのかもしれないが....
しかし、オオクラも一応探偵役として登場するのだが、90年代当時のサオリのインタビュワーとしてのオオクラはまあまあ不快な男だったし(後にサオリの方がよっぽど不快だったが)、90年代の方の鸚鵡楼の惨劇を80年代のショックメタリー的な方式で世に出そうとしていたのは興行師としてもちょっとどうかとおもうわけで...
さらにいうと買春もしているわけだし
サオリ視点ではまるで
オーメンのダミアンのようにシュンが描かれているわけだが、サイコ父と元カレに依存していて未練タラタラな母の下で育てられていたわけで、ある意味一番不憫かもしれない
遡れば本作の全ての殺人を敢行したミズキも不幸な境遇の中サバイブしてきた人なので、とにかくずっと子供が不憫ていう話だったな....
そんなオオクラも霞むほどクソっぷりを発揮してくれていたのがサオリで、友達が好きなことを知っていながら略奪婚するし、身内ネタを売文して稼いでるってのは現代のクソユーチューバーみたいだとおもったりした
ステマ上等、カネがもらえるならなんでも書くってあたりもまた
ステータス志向だったり、子供の進路を強要するあたりだったり、本当に嫌いな人間だったな....
サオリがコウイチの影が見え隠れする際にやたら性的に興奮していたのは終わってみれば結局切れてなかったんじゃん、というあたりだが、
PTSD 的にそれらがフラッシュバックしてきているのかとおもったらバチバチに求めていただけだった、というね
ただ、でもオオクラによって夫を殺したサオリをチズコ(ミズキ)が衝動的に殺した、という説明だったが、動機とタイミングが無理すぎない....? とはちょっとおもう
最初の惨劇はヨリコ(サオリの義妹)によっていわゆる隠蔽された事件だったんじゃないか的なことがミスリードされていたが、加害者が子供のパターンね、はーなるほど的な
オオクラはホームレスがヨリコだと見切っていたわけだが、そんなヒントあったっけ?確かに雑誌の切手なし投書がチラ裏だったことはやたら強調されていたのでなんかあるんだろうな、とはおもったけども
そしてシュン並に不憫なのもこのヨリコで、自分がロリコン野郎を招いてしまったせいで実兄と義姉が死んだと思い込んで人生を棒に振っているわけだが、実際にはこじらせていたクソ兄と未練タラタラのクソ義姉だったわけで、
2017年の続編放映までマトモに暮らしていてほしかったぜ