魔法つかいプリキュア!みおわった

面白かったし、終盤はグッとくる展開だったけど、振り返って総じてみると若干パンチに欠ける面はあった気がする
HUGっと!プリキュアを先にみてたせいかもしれないけど
手放しに褒められるのはモフルンのキャラクター造形で、制作陣はこのキャラクターを生み出したというだけで優勝
子供の頃からぬいぐるみと育ってきたタチなので、そのぬいぐるみが喋りだすとか、要所要所で見守ってたエピソード挟まれたりすると弱い
エンディングのモフルンめっちゃかわいいし、ハロウィン回付近のモフルンフィーバーはヤバかった
混ざった世界が離れ離れになる展開はなかなかビターで、宇宙空間で別れを告げて、モフルンが回顧するところはもうガチ泣きだった
オッサン的には十六夜の月に向かって涙ながらに木の棒を振るみらいに一陣の風が吹いて、リコを思い出しながらナシマホウ界で歩を進めていく、みたいな感じの着地だと余韻もあってよかった
あとは、これまでのシリーズが実は老みらいの語りで「まーたおばあちゃんその話をしてるのねえ」なんつって子孫たちに見守られながら、臨終の刻を迎えようとするまさにその時、校長よろしく若作りをした老リコが「やっとこれた、間に合った」なんつって現れて...ってそれはインターステラー
オープニングはめっちゃよかった、part2 でアレンジ版きたときはかなりグッときた
エンディング、2期はヒャダイン作曲でまあ.....ヒャダイン節というか.....
惜しいところはすごいたくさんあるが、何よりもしんどかったのは敵キャラの立ってなさ
ドクロクシーが校長とクシーのエピソードが故にああなのは仕方ないとして、ドクロクシー一味も無策に突っ込んでくるだけだし、デウスマスト一味も無策に突っ込んでくるだけなので敵に深みがなかった
かつ、シリーズを通したテーマは異文化理解というか、オープニングの歌詞にもあるように性格も育ってきた環境も違う2人(3人)が連帯を深めていく〜ってところだとおもうんで、そこに対して魔法界の面々には融和的に接するけどデウスマストの眷属たちには非常に排外的で気になってしまった
無策に突っ込んできたデウスマスト眷属に、ええこと言ってる風のことをみらいとリコが叫んでぶん殴って必殺技で倒すだけの単調な展開で、デウスマストの眷属たちは地球というか日本の文化風俗を全く知らない存在と捉えると、みらいとリコの理屈を押し付けてパワーで退けるというのはちょっとテーマと矛盾してる感が否めないというか...
終盤の展開も、基本的にはHUGっと!プリキュアにもあったような自分の大好き展開(みんなが応援するやつ)なので別にそこはいいっちゃいいんだけど、2つの世界が融合したりなんだりなんやかんやあって、結局どういう社会に落ち着いたんや?みたいなのが全く描かれないというか、雑に元に戻りました!(エピローグ)という感じでうーん
テーマ的に、かつバックストーリー(元々世界樹の下の1つの世界だった)からも、終盤は再び1つの世界に reunite するのでは...?と読んでいたが、バラバラになってしまうというのはエモーショナルな盛り上げには買ってたけど、テーマ的には相容れない存在とは結局別々に暮らすのが良いという結論になったように見えてしまい、惜しい
あと、魔法界の人々がナシマホウ界に紛れているというエピソードも若干見下し感があるというか、よくある白人女性がインド行ってヨガやったらハッピー!みたいな映画っぽい感じでちょっとイヤな感じがした
渡辺麻友が魔法使いで出てくるのは時代を感じるのと相まってすごいよかった...
これもHUGっと!プリキュアとの比較になってしまうのだけど、変身フォームが4つあるのは面白かったけど4つがいまいち活かされてなかった(トパーズはまあまあ)り、進化が2段階しかないのは少し物足りなかった
支えのストーンも使い方が雑で、ピンクトルマリンぐらいしか印象に残ってない
後半はモフデレラに登場したレインボーキャリッジに精霊がハマっていくというのが大きな筋だったけど、なまじ数が多いのでダレるし、精霊も何に対してミトメールつって挿入されていくのかがいまいち不鮮明でノリにくかった
あとは些細なことだけど、チクルンは相当な背信行為があってオルーバに脅迫されているんだと読んでみてたけど、脅迫のネタがなんじゃそりゃって感じでズッコケた
オルーバは眷属の中でも唯一知略派だったっぽかったけど、それでもイマイチ何したいかよくわからん展開が続いてちょっと...みたいな....
ラブー、シャーキンスはほぼ同じキャラクターで、ここに2人登場させたのは単に人数合わせだったのか、キャラクターの造形が詰めきれなかったのか...
デウスマストはコズミックビーイング的な存在なんだと理解してるが、こういうコズミックビーイングが出てくると、そんな規模の存在がなぜ地球程度の星に固執するの...?みたいになっちゃう
これは DC でもマーベルでもあるんだけど
あともったいなかったのは、ことははことはとして成立した時点でほぼ完成されたキャラクターで葛藤がないから成長もないし、みらいもずっとあの調子だったのでHUGっと!プリキュアのはなみたいな成長がみれなかったのが残念だった、リコは唯一シリーズを通して悩みがあって、シリーズを通して成長を遂げるわけだけど、偉大な魔法使いとは、という問いに対して姉と同じ道を進む、というのが若干安直に見えてしまったのが残念だった
混沌ではない形で、2つに分かれてしまった世界を紡ぎ直すんだ!みたいな気概がほしかった
祖母のかの子と校長に何かあったのか...?と匂わせがあったけど、結局何もなかった
こうだったら面白かったんじゃないの余談
後半パートがCCさくらクロウカードさくらカードにしていくみたいな感じで、石を変化させていく展開どうですか?
ついでにクウガみたいに変身フォームが変われば尚
伝説を超えていく、みたいな話の流れとマッチしそう