文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション 呪 感想 (ネタバレあり)
最寄りの図書館で調べてみると、選集にちょくちょく採録されていたので、あとはどれにするか、というあたりだったのであるが、子供向けに編まれているものなら読みやすかろう、という軽い気持ちで本書を取った
でまあ、これが表紙からぶっ飛ばしてて、特に「恋」が
駕籠真太郎かよ!!みたいな肉体デコンストラクションみたいなノリで
コレ本当にターゲットにしてる世代が読むのか!?!? とビビりながらもターゲットではない30代のおっさんが借りました
で、借りてみるとまず本当に助かったのが本文の全てに読み仮名が振られていて読みやすい!!!!!
妻とよく話すんだけど、孤独な本読みは字で読むことはあっても声に出すことがないので読みが不安定がちで、本作でも何度か「ア~~、これ素で読みを取り違えてたわ」ということがあった
さらに懇切丁寧に難解な言い回しや、人名、固有名詞などを注釈で長々と説明してくれるのでわかりやすい!!!!
あとは特に
久生十蘭の「
予言」あたりから「これは編者である
東雅夫さんのDJプレイなんや.....!!」というのが伝わってきて、
郡虎彦の「
鐡輪」が完全クライマックスで「ウワアアアアア!!!!!」と
さて、件の「くだんのはは」であるが、想像以上に戦時中文学の色合いが強くて、また
江川蘭子と舞台がほぼ一緒なので、江川のあっけらかんとした描写とはうって変わって戦時中の
芦屋にいろいろくるものがあったりした
ついこの前まで海辺で猟奇ショーを催したりしていたのに......
そして最後に哀しく姿を現す件、オチとしては件を見てしまった自分の子供に....というね
前述の予言もなかなかキタけど、印象に残ったのは
吉屋信子の「
鬼火」で、ちょっとした
Vシネみたいな話なのではあるが「帯はなかったのだ」というオチのなんというか..........グゥ
.....ていうか、コレを読んだ青少年は一体どういう気持ちになれと!?!?
スケベ心は身を滅ぼすぞという訓戒!?