夏の終わり - blog.jgs.me

この夏は2ヶ月強かけてひとつのプロダクトを創っていました。
はじめはブレストばかりで、なかなかチーム全体で納得のいくアイデアに収束しなかったです。それぞれ学生だったので、本業もしつつアイデアを考えつつみたいな感じだったし、やっぱり十色の意見をまとめるというのは難しいですね。この頃は対面の会議にこだわってがんばって集まって意見をぶつかり合わせていました。
7月の中旬にアイデアが決まりました。最後は多数決だったけれど、チーム全体で納得して作業に取り掛かれたとおもいます。意志決定者が不在だったり、意志決ポジションにあるひとが優柔不断だったりして大変な経験をしたり、話を聞いたりしてきたのでその日のうちにアイデアの発案者である自分が「ものごとを決めるときに意見が分かれたら自分が決めます」という話をして、チームを回していくことにしました。
チームにデザイナが2人いたので、こういう感じの情報が表示できるデザインを頼みました。2人とも何案も出してくれたのだけれど、なかなか決め手となるものがこなくて散々産みの苦しみを味わいました。ある時、Flashで動きのある案を持ってきてくれたときに電撃が走るような体験をしてそれを即決しました。チームメンバーも同様に大好評だったので「これは勝ちにいける」と思いはじめて思いました。
それから、それをベースに画面遷移やアニメーションを考える作業に移っていきました。産みの苦しみほどではないけれど、このあたりの作業もなかなか大変で、必要な機能を絞ったりボタンの配置や、アイコンの形状などなど決めることはたくさんあって打ち合わせではウンウン唸ってばっかりだったような気がします。
だんだんと画面が固まってきたところでデベロッパーの方のラインも走りはじめて、まずはガワの完成を目標に開発をしはじめました。はじめたといっても、僕はObjective-C全然わからないのでクライアントはお任せで作ってもらってあれやこれや口を出すマンをしていました。
デベロップの様子もみつつ、デザインでは最終発表に向けてムービーの作成に取り掛かりました。中間発表のときに「使用シーンがわからない」というようなフィードバックをいただいたので、それならガツンとオシャレムービーをつくってやろうと考えたからです。次いで、ロゴ決めもあって作業量的にはこの頃から各員ハードになってくる感じでした。
ムービーには、なんとなくの雰囲気と流れを渡したら絵コンテが上がってきてとても感動しました。画力皆無でおなじみの僕なので思い描いてたものが絵になって見れるのはチームの為せる業だなあ、と。
9月の連休があけて、いよいよラストスパートというタイミングで僕もサーバーのライン(独り)を走らせはじめました。今さら言ってもしょうがないけど、もっと早い段階でドラフトを作っておけばよかったなあって反省しています。作ってたサービスでは、サーバー側のウェイトがそんなに重くなかったので骨組みは1日もかからず完成しました。いつもどおり、Node.js{Coffeescript+Grunt+Socket.io}+MongoDB{Mongoose+MongoLab}+Herokuの構成でございます。
エイヤッとクライアントとサーバーを合体させるのもそつなくこなしたところで、HerokuだとWebsocketがメチャ重いという事実が発覚して即さくらVPSを借りました。さくらVPSだとnginxのせいかSocket.ioが爆速で爆泣きでした。tmuxvimを強いられて大変だったのでshell力を高めたいとおもいました。とはいえtmuxマジ便利。
そしていよいよ終盤の9月末日辺りは特にハードで、ムービーの撮影をしつつ、クライアントの様子をみつつ、サーバの調整をしつつ、スライドも作って…みたいな感じでオチオチ寝てられない日々が続きました。この頃になると、夜間はGoogle Hangoutで意思疎通をとりながら、日中はLINEで連絡をとる程度で回せていけました。離れていても、インターネットで通じ合えるなあと改めて2013年を実感しました。
行きの新幹線では繰り返し繰り返し発表練習をして、スライドの流れを身体と脳に叩きこみました。本番ではついつい早口になっちゃう癖があるのも知っているので、本番前はとにかくゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせていざ発表へ。とはいえ、ムービーもメチャカッコよかったし、内容に絶対的な自信があったので披露するのが楽しみすぎてずっとニヤニヤしてました。
発表はほとんど記憶がないんだけど、やりきれたとおもいます。けれど、結果は2歩及ばず3位でした。3位でコールされた時にはあまりにも悔しくて一気に力が抜けました。
それでも、1位がここまで共に頑張ってきた関西チームだったのでそれはそれでめちゃくちゃ嬉しかったです。自分らが3位だったときよりも喜んでたとおもいます、みんな。
同期がぼつぼつ揃ってきた頃に関西の同期たちと飲み会があって(今から考えてみるとあれは僕の中でデカかった、ありがとう)そのときにぼんやりと、同期と「明日一緒にプロダクトを作ることになっても困らない」ようにしたいなあと思い立ちました。それで、一度は全体に対して働きかけようとしたのだけれど、なにぶん人数が多すぎてどうともならなかったので、スモールスタートでいこうと考えて 関西Node.js寺子屋 をオーガナイズしました。これがいい感じに盛況で、別のテーマで寺子屋が開催されたり、 Technology Academy@Kyoto が開催(予定)されたりと拡がりを見せていて嬉しい限りです。
そうやってコミュニティが暖まってきていたので、関西同期で3チームに分かれていたけれど、お互いに切磋琢磨していこうという空気になりやすかったとおもいます。その中で、週に一回全チームが集まってワークする一斉ワークデイを各週開催したり、中間発表へ向けてプレ中間発表を開催したりとチームの垣根を越えて関西同期コミュニティとして取り組めました。終盤にはデス感をふんだんに漂わせながら集まって、ヤバイヤバイ言いながら鶏を食いまくったりもしました。
そうやってこの夏は関西一丸となって挑んだので、こうやって結果がついてきて嬉しかったのです。個人では悔しい想いをしたけれど、コミュニティで勝ったという意識がそれに優っていて嬉しかったです。今度、♨温泉♨でゆっくりしよう。そして、関西一帯でたくさんノウハウを積めたので、あと半年で全国を巻き込んでいけたらいいなあと考えています。これからは、チーム・カオスエイジとしてやっていくことを胸に、各位今後ともよろしくお願いいたします。
それから、自分のチームもとても練度が高くてすごくやりやすかったです。Team Geeksを読んですっかりサーヴァント・リーダーと化したリーダー、アイデアにカタチを与えてくれたデザイナたち、機動力高くなかなかにエグいUIを実装してくれたデベロッパ。あのUIを最初に見せてくれたとき。深夜3時ぐらいにはじめて爆速でうまく動いて歓声を上げたとき。ムービー完成版を見せてくれたとき。しばらくは忘れられないとおもいます。ありがとう。リリースして見返してやろうぜ。
アツい夏が終わり、涼しさと共に現実に還っております。

October 3rd, 2013 4:10pm