ワイルド・スピード SKY MISSION - diary.jgs.me

ポール・ウォーカーさんの遺作となってしまった本作、二子玉川に新しくオープンした109シネマズIMAXでみてきました。今作撮影中に事故に遭ってしまわれたということだったので、今作の完成をとても心配した。なんといっても監督にジェームズ・ワンが抜擢されたときからこの作品を期待していたから、最悪の事態になってしまったら…という不安がずっとあった。なので、はじめて劇場でこの作品の予告編をみたときの嬉しさといったら!「ソウ」をみたときの衝撃は今でも憶えていて、中学生ぐらいの頃にハンドルを変えることを思い立ったときに、真っ先に思い立ったのが「ジグソウ」というキャラクターだった。あの汚いバスルーム?便所?みたいなところからはじまって、「デッド・サイレンス」で「静」の恐ろしさを描き、「インシディアス」で伝統的なホラーに新たなエッセンスを加えて送り出したワン監督がこれらを経て、ついにこんなアクションドンパチビッグバジェットな映画の監督をするようになるとは、という喜びがあった。
そして、ついに公開されたものをみて、きっと編集など大変だったのだろうけどそんなことは微塵も感じさせない造りになっていて、終始爆笑しながら楽しめた。しかも、みおわってから知ったのだけれど、実弟が代役を演じてるシーンもあるそうで、スタッフというか、もうリアルでもファミリーな製作陣のポールへの愛を感じた。そしてあのラスト、心惜しさを感じながらみているとあの泣けるラスト!!「さよならも言わずに行っちまうのかよ」ってお前のことだよ!!!一時はどうなることかとおもっていたシリーズも立てなおして作を重ねる毎に面白くなる稀有なシリーズになってたのによ!!オレもっとヴィン・ディーゼル鉄火場を切り抜けるお前を見たかったよ!!起こってしまったことはしょうがないけどさあ….。過去作の映像をみて、惜しいひとを亡くしてしまったんだな、と改めて感じてボロ泣きだった。
もちろん単体の映画としても、見せ場見せ場のオンパレードで、山岳地帯のオフロードの戦いもあれば、アブダビでビルからビルにスーパーカーで飛び移るなんていうぶっ飛んだシーンがあったり、肉弾戦でもドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムのマッチからはじまり、ミシェル・ロドリゲスvsロンダ・ラウジー(エクスペンダブルズ3も傑作だった!)、ポール・ウォーカーvsトニー・ジャー!そして最後のヴィン・ディーゼルvsジェイソン・ステイサムと、プロレスかよ!ってぐらいわかりやすい肉弾戦の連続で手汗出まくり!!アクションの撮り方も上手くて、天地がひっくり返る動きや、スローモーションなど上手く組み合わされていてむっちゃ良かった。
ジェイソン・ステイサムが敵役ってのもすげー良くて、ワイスピシリーズでも最高の敵と言っても過言ではないだろう。(もちろん次点はドゥエイン・ジョンソン)冒頭からジェイソン・ステイサムのキャラクターがどんなものかっていうのが上手く映されていて、傑作冒頭でもある。ありがとうステイサム!!
それから、ローマン役のタイリース・ギブソンが劇中でも言及しているが、ナタリー・エマニュエル演じる女性ハッカー像を作り上げたことも素晴らしいことだとおもう。特に映画では、ハッカーといえばパーカーのフードかぶってところかまわずラップトップでハックしまくってるか、要塞みたいな自室にこもってハックしているという像が描かれ続けてきた。それを逆手に取ってもいるがセクシーなハッカーというのはワイスピらしくもあり、女性のエンジニアが増えている昨今の情勢を上手く反映しているとおもう。
何度も言うようだけれど、映画としても傑作なところにこうした外的要因も重なってこの作品を大傑作へと押し上げている。間違いなく今年最高の映画だとおもった。

April 26th, 2015 3:42am