スーサイドとゴッサム - diary.jgs.me

今年は BvS の公開に、スーサイド・スクワッドの公開と DC ファンとしては MCU に比べるとどうしても遅れをとっているように見えていた DCEU の雪辱を果たす年になる!と期待していた。特に BvS に関しては製作が発表された当初からずっと楽しみにしていたものだった。が、フタを開けてみると散々な出来で MoS ではまだ胸を張って擁護できていたのがいよいよちょっとキツいとこが目についたのが BvS だった。同時期に公開されたシビルウォーの後塵を拝すことになってしまったオレたちに出来るのは MCU が未だ到達していない(ガーディアンズが近いっちゃ近いが)ヴィランたちを主役に据えるスーサイド・スクワッドに一縷の望みをかけることだった。が、こちらも米国で封切られるとモロモロ物議を醸していることを薄っすらと知っていたので、期待半分不安半分だったのがいよいよ不安に圧されるような感覚で日本での公開日を迎えた。もちろん初日にみにいったが、まあ下馬評通りな出来でオレたちはまた辛酸を舐めることになってしまった。
最近はあんまり入れ込めなかった映画について文句を書くことは控えていたのだが、NEW52 から原作を書いはじめ、スーサイドの面々(特にハーレイ)に思い入れがあっただけにあんまりだったのでつい書き始めてしまった。
どこかでヒーロー像を MCU は自警団として、DC は神として描いているという論評を読んだが、確かに DC は恐らく対になるであろうアヴェンジャーズに比べるとジャスティス・リーグは「持って生まれた力をどう活かすべきか」という葛藤をもったヒーローが多いように思う。ほぼ唯一と言っていい後天的にチカラを会得したのがバットマンで、このキャラクターの特性上ストーリーとして面白くしやすいのでティム・バートン版やノーラン版で傑作が生まれているのかもしれない。
そこで DC が目につけたのがヴィランたちなんじゃないかと考えている。DC は魅力的なヴィランには事欠かなくて、スーパーマンで言えばレックス、バットマンだとジョーカー、フラッシュならローグスと悪役ながら非常にキャラが立っていてストーリーに華を添えている。特に最近みはじめたドラマのゴッサムではバットマンの歴代ヴィランたちの在りし日のオンパレードでずっとニヤニヤしながらみてられる。
そんなゴッサムの中でも特に良いのがペンギン(あとものすごい武闘派のアルフレッド)で、配役といいキャラ造詣といい、ゴッサムを陰で引っ掻き回す様は気持ち良くもある。こんな気持ち良いヴィランたちの暴れっぷりを映画のスーサイドでもみたかったのだが、全体的にテンポが悪かったり、話の規模が大きすぎる(特に今作はジャスティス・リーグへのつなぎにもなるわけだからこんな大騒動が起きてるのに、スーパーマンは死んでるとおもわれてるからいいとして、ワンダーウーマンとかチラ出演してるフラッシュ、バットマンは何やってたんだよ!っておもっちゃう)ためになんだかパッとしない作品になってしまった気がする。
せっかく NEW52 の1巻が結構よくできてるんだから、冒頭の紹介シーンなんかはまんま映像化してくれればよかった(メンバーがちと違うが…)んだがなあ。BvS にせよ今作にせよヴィジュアル的な部分は原作に忠実なのにキャラクターだったりバックボーンがきっちりと反映されていないのが本当に惜しい。
そんな中でも良かったのはやはりマーゴット・ロビーで、複雑なキャラクターでもあるハーレイを演じきっていたようにおもう(いくつか演出が気になるとこはあったが…)。もし出来るなら傑作の「ホット・イン・ザ・シティ」をデップーっぽいテイストで映画化してくれんかなあ。
次はワンダーウーマンか…。ガル・ガドットさんも BvS では一番輝いてたし楽しみっちゃ楽しみだけど、あらすじ的にキャップのファーストアヴェンジャーっぽい雰囲気でやっぱり不安…。

September 11th, 2016 6:48am